や（焼）く

　焼烙（しょうらく）療法のことで、慢性の腱炎、腱鞘炎、飛節内腫、骨瘤、関節炎などの治療に主に利用される。馬の体表に火熱を応用して急性充血を起こさせ、その刺激、消炎作用などにより治療効果を期待する。患部によって白金製の、数種の形の先端を取り替え、電気によって熱したものを、主に点状に一定の間隔をおいてあてて、真皮膚を突き抜けないように焼く療法で、３日から１週間の間隔をおいて、５、６回実施される。

ムコウズネ（管骨骨膜炎）

　主として前肢に発生し、ムコウゾエ、ソエとも呼ばれる。骨が完全に化骨していない若馬に急激な強い調教を行なったり、硬い走路で調教を行なうと、管骨（第３中手骨）の全面に炎症を起こす。初期であれば運動を軽くし、患部を冷却することにより治癒するが、重症になると腫れ、骨瘤状となり激しい疼痛、跛行を伴う。さらに重度となると骨瘤部に亀裂骨折（皿状骨折）を発症する。

フレグモーネ

　皮下の組織に見られる急性の化膿性疾患である。化膿を起こす細菌は、外傷部位から侵入することが大半である。馬では病勢のテンポは極めて早く、一夜のうちに馬の肢が腫〔は〕れ上がることも稀ではなく、激しい疼痛を伴う。早期発見、早期治療が肝心である。